国沢泌尿器皮フ科

性病科

性病について

 従来は、梅毒、淋病、そけリンパ肉芽腫、軟性下疳の4種類を性病と呼んでいましたが、近年は性行為による病気の種類が増えてきたため、従来の性病と新たに追加された性的接触による感染症とを合わせて性感染症(STI)と呼ぶようになりました。
またそけいリンパ肉芽腫と軟性下疳は現在は日本では認められません。



STIの種類

1.クラミジア感染症

(病原体)

  • クラミジア・トリコマチス

(潜伏期)

  • 1~3週間

(症状)

  • 咽頭クラミジアはほとんど無症状
  • 尿道クラミジアは尿道のかゆみと水のような膿
  • 子宮頚管クラミジアはほとんど無症状
  • 卵管クラミジアは高熱と下腹部の激痛
  • 精巣上体クラミジアは精巣の軽い腫大と痛み

(検査)

  • DNA検査にて抗原の検出で確定診断
  • 血液検査は抗体の検査でスクリーニング検査にすぎない

(感染経路)

  • 尿道、膣、口腔、肛門

(治療)

  • クラミジアに有効な抗生物質の内服で完治

2.淋菌感染症

(病原体)

  • 淋菌

(潜伏期)

  • 2~8日

(症状)

  • 咽頭淋菌感染は軽い咽頭の違和感があるがほとんど無症状
  • 尿道淋菌感染は激しい排尿痛と白黄色の激しい膿
  • 子宮頚管淋菌感染は激しい白黄色の膿だが、痛みはない
  • 卵管淋菌感染は高熱と下腹部の激痛
  • 精巣上体淋菌感染は精巣の腫大と激しい痛み、高熱

(検査)

  • DNA検査にて抗原の検出で確定診断

(感染経路)

  • 尿道、膣、口腔、肛門

(治療)

  • 淋菌に有効な抗生物質の内服か注射にて完治

3.梅毒

(病原体)

  • 梅毒トレポネーマ

(潜伏期)

  • 3週間前後

(症状)

  • 1期:菌が侵入した部位が赤く硬く腫れる(初期硬結)。痛みや痒みはない。
  •    (感染後3週から3ヶ月)
  • 2期:全身に赤い発疹が出現。痛みや痒みはない。
  •    (3ヶ月から2年)
  • 3期:菌は内臓や皮膚を深く侵しその個々の症状が現れる。
  •    (3年から10年)
  • 4期:神経症状や心血管症状が現れる。
  •    (10年以上)

(検査)

  • 血液検査で抗体の検出(感染後6週間)

(感染経路)

  • 陰茎、膣、口腔、肛門など

(治療)

  • 適切は抗生物質による内服治療

4.性器ヘルペス感染症

(病原体)

  • 単純ヘルペスウイルス(1型と2型)

(潜伏期)

  • 2~10日

(症状)

  • ウイルスが侵入した部位(ペニスや膣)に初めは小さな水泡ができ、やがて糜爛する。男性は軽い痛みのみだが、女性は激しい痛みと高熱を起こす場合が多い。
  • 治療により皮膚症状はなくなるが、免疫能が低下すると再発する。再発のときは軽く、うっかり性行為をしてしまうと相手に感染させてしまうので注意を要する。

(検査)

  • 血液検査で抗体の検出

(感染経路)

  • 性器、口、肛門など

(治療)

  • 抗ウイルス薬の内服や外用を行うが、完治は現在のところ不可能である。
  • 再発に注意を払う必要がある。

5.尖形コンジローマ

(病原体)

  • ヒト乳頭腫ウイルス

(潜伏期)

  • 3週間から9ヶ月

(症状)

  • 外陰部、膣、口腔、肛門、ぺニスにできるイボ。痛み痒みは一般的にはない。

(検査)

  • イボの確認により診断する。子宮頚部における診断はDNAで行う。

(感染経路)

  • イボとの接触にて感染する。

(治療)

  • 冷凍凝固、電気凝固、軟膏治療、レーザー治療(自費)

(注意点)

  • ハイリスク型の乳頭腫ウイルスが子宮頚部に感染すると高率に子宮頚癌が発生する。また治療しても再発することもある。

6.トリコモナス感染症

(病原体)

  • トリコモナス原虫

(潜伏期)

  • 1~3週間

(症状)

  • 女性は白黄色の泡状のおりものが出る。痒みを伴うことが多い。
  • 男性は無症状のことが多い。

(検査)

  • 尿やおりものよりトリコモナス原虫を顕微鏡で検出する。

(感染経路)

  • 膣、尿道など

(治療)

  • 抗トリコモナス剤の内服や膣座薬で治療

7.性器カンジタ感染症

(病原体)

  • カンジタ・アルビカンス(真菌)

(潜伏期)

  • 不明の場合が多い。
  • カンジタはどこにでも居るので、条件がそろえばいつでも発症してくる。

(症状)

  • 女性は痒みを伴う白黄色のチーズ状のおりもの
  • 男性は包茎者に多く亀頭部の痒みを伴う発赤

(検査)

  • おりものより顕微鏡で検出

(感染経路)

  • 不明のことが多い

(治療)

  • 抗真菌薬の膣座薬や外用薬

(注意点)

  • カンジタはどこにでも存在するので、必ずしも性行為による感染とは限らない

8.HIV感染症

(病原体)

  • HIV(ヒト免疫不全ウイルス)

(潜伏期)

  • エイズ発症まで数年から10数年

(症状)

  • HIV感染時は多少の風邪症状もあるが無症状なことが多い。
  • エイズが発症すると免疫力が落ち、多彩な症状と合併症が出現する。

(検査)

  • HIV感染後90日後に血液検査で抗体の検出

(感染経路)

  • HIVを含んだ血液、精液、膣分泌液より粘膜や傷口より感染する

(治療)

  • 抗エイズ薬にてエイズの発症を遅らせたり、症状を軽くすることが出来る

9.その他の性感染症

毛じらみ・肝炎、アメーバ赤痢など



STIの感染経路

STIは感染した人との膣性交、口腔性交、肛門性交によって精液、分泌物、血液を介して感染します。
当院の調査では淋菌は約68.7%が口腔性交で感染しており、クラミジアは約25.5%が口腔性交で感染しています。さらに驚くことに淋菌の約17.8%、クラミジアの約56.9%は女性友達から感染しています。

国沢泌尿器皮フ科受診の男性の淋菌感染症(259名)の感染源

淋菌感染源グラフ


国沢泌尿器皮フ科受診の男性のクラミジア感染症(204名)の感染源

クラミジア感染源グラフ